砂丘らっきょう

らっきょうは鳥取県東部・中部の砂丘地で栽培され、特に鳥取砂丘に隣接する福部村は全国屈指の大産地です。

砂丘らっきょうの歴史

鳥取県でのらっきょうの栽培は古く、江戸時代までさかのぼります。参勤交代のとき小石川薬園より持ち帰ったといわれています。らっきょうは生命力が旺盛なため、砂丘地でも育つということから、少数の農家で自家用として栽培されていました。戦後以降スプリンクラー灌水が導入された頃から本格的な大規模栽培が始まりました。

らっきょうの植え付け

植え付けらっきょうは7月下旬から8月末ごろまでかけて植え付けをします。真夏の暑い中、1玉 1玉手作業で植え付けるというとても大変な作業です。なんと一人で1日平均1万球も植付けします。

らっきょうの花(10月)

らっきょうの花らっきょうの花ってご覧になったことありますか?秋になると紫色の花が一斉に咲きますが、その光景はまるで一面に紫のじゅうたんを敷き詰めたようで絶景です。「砂丘のラベンダー」とも呼ばれています。このころ福部村では「ふくべらっきょう花マラソン」が開催され、全国から健脚自慢のランナーが集まってきます。

冬の風雪に耐えるらっきょう(12~2月)

冬 砂丘らっきょうは、冬の日本海から吹きつける厳しい風雪に耐えて、じっと春を待ちます。 冬が厳しければ厳しいほど、色白で堅く引き締ったらっきょうに育ちます。 夏は地表面温度60℃、そして冬は氷点下という過酷な条件で育つ砂丘らっきょうは、生命力の塊といえます。

らっきょうの収穫

収穫 らっきょうの収穫は冬を越し、翌年5月~6月にやっと収穫できます。収穫は最近では機械で掘り起こしますが、以前はすべて手作業でしたのでとても重労働でした。

らっきょうの出荷

出荷 掘り起こしたらっきょうは、葉を切りとり、約1cmほど根を残してあとは切り取った「根つきらっきょう」と、根はすべて切り取り、薄皮も取り除いて、塩水と酢水で洗った「洗いらっきょう」の2通りで出荷されます。特に洗いらっきょうは1玉1玉丁寧に「根切り」をするため、これもまた手間のかかる大変な作業です。「根つきらっきょう」はそのまま段ボール箱に詰めて出荷しますが、「洗いらっきょう」は1kgずつビニール袋に詰め、それを段ボールに詰めて出荷します。 (根切り作業は、5月下旬~6月中旬)

らっきょうの漬け方

加工 らっきょうの漬け方で最もポピュラーなのが「甘酢漬け」ですが、地元ではまだまだ色々な漬け方があります。「塩漬け」「赤ワイン漬け」「しそ漬け」「りんご酢漬け」「黒砂糖漬け」「黒酢漬け」など・・・・。「お袋の味」をめざしてぜひ色々な漬け方にもチャレンジしてみてください。

らっきょうの効果・効能

「薤白」といわれ、古くから漢方薬の主成分として用いられてきたらっきょうは、ビタミンB1を活性化するアリシンを含む健康食品です。「1日4粒で血液サラサラ!」などテレビでも紹介され、根強い人気を保っています。

エシャロット

日本で「エシャロット」と呼ばれて市場に出でいる野菜は、実はらっきょうを深植えして早どりしたもので、フランス料理などによく使われる「エシャロット」とは全く別 のものです。(西洋野菜の「エシャロット」は「シャロット」とも呼ばれ、玉 ねぎの変種です。) エシャロットはらっきょうの生育途中10月下旬ごろ、長く伸びた茎に約10cmくらい土寄せします。こうすることによって茎が白く柔らかく育ち食用部分が多くなります。 食べ方は、マヨネーズ、ドレッシングなどをつけて生のまま食べます。また酢味噌あえ、キムチなど使い方はさまざまです。

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